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花粉症に漢方

2008年の花粉情報は、西日本では平年より少なめ、東日本では平年並みで、昨年よりも3倍という予報が出されています。
病院で処方される薬や市販の鼻炎薬などは内服後に眠たくなったりしますし、胃腸の調子を崩すことを懸念される方には漢方薬をお勧めいたします。

花粉症と一口に言ってもその症状は様々で、症状によって処方が変わります。代表的な症状と処方例です。

=花粉症に役立つ漢方=
■『小青竜湯』
 ・体質的に寒がりの人や、連発するくしゃみと透明の鼻水が多い方、にオススメ。
 ・黄色・青色の鼻汁は、ほとんど出ていない方、
 ・朝起きてからしばらくの間、症状が激しい方、
 ・寒い所や冷たい風にさらされると、症状が悪化する方、
 ・冬に風邪かなと思った瞬間に、鼻水がさらさらと流れてしまう方、
  ▼『小青竜湯』は花粉症の代表的な漢方薬としてよく知られてます。
   ・体温を高め、冷え性の人で花粉症が併せてある人に使用することで良い結果が出ます。
   ・アトピー性皮膚炎を発症している人も使用すると良いです。
   ・暑がりな人で鼻詰まりがひどい場合や頭痛などを伴う場合は、『葛根湯』『加辛夷川キュウ湯』が良いでしょう。
   ・小児の場合には、体温が高い体質が多く、葛根湯加辛夷川キュウ湯を処方することが多くあります。
   ・普段から肩こりの症状が多く、風邪を発症してしまい、汗があまり出ない、急性で目が充血したりかゆみがひどいなどの症状がでた場合は葛根湯単味で処方されます。

■『麻黄附子細辛湯』
 ・体質虚弱で、風邪を引きやすいという方、
 ・冷え性で寒がりなうえ、体力がないために疲れやすい方、
 ・頭痛や微熱を引き起こし、寝込むことが多い方、
 ・突然の寒さや冷たさによる刺激や働き過ぎによる疲労から、鼻の症状を発症する方、
 ・病院で処方される薬は、強くて飲めない方、
  ▼『麻黄附子細辛湯』は、『小青竜湯』と比べて、寒気や冷たい感覚が強くあらわれて体力が更に弱くなったと、いう方に適合します。
   ・処方の使用開始時期は、虚弱体質の初期に使用します。
   ・特に疲れとだるさが著しい場合に補中益気湯との兼用が可能です。

■『香蘇散』
 ・鼻・目・喉・耳に、詰まった感覚や鈍い感覚が強い方、
 ・精神的にも弱い面があり、ストレスを蓄積しやすい方、
 ・寒さやストレスで、症状が悪化しやすい方、
 ・一般の市販薬や病院から処方された薬で、胃腸の調子が悪くなった方、
  ▼『香蘇散』は、芳香成分が十分に入っており小児や年配者に多く処方されます。
   ・精神が不安定な症状が強く出た場合には、『香蘇散』に『四逆散』を併せて服用すると良いでしょう。

■『十味敗毒湯加桔梗石膏』
 ・目ヤニや鼻汁、痰などの分泌物は黄色で粘着力が強い方、
 ・くしゃみ・鼻水は少ないのに、鼻づまりがひどい方、
 ・鼻や目に熱っぽい感覚や、喉・目・顔が赤くなる方、
 ・温かい所や温風に当たると、症状が悪化する方、
 ・会社や自宅などで冬の暖房が強いと、アレルギーになってしまう方、
  ▼『十味敗毒湯加桔梗石膏』は、体質は寒がりでもかまいませんが、暖房の強い部屋に長時間いたことで具合が悪くなる場合に処方を考慮すると良いです。

■『辛夷清肺湯』
 ・乾燥症状から鼻づまりがあるが、くしゃみ・鼻水は少ない方、
 ・空気の乾燥や暑さで、症状が悪化する方、
 ・どちらかというと暑さよりも乾燥が原因で、慢性の蓄膿症などを発症している方、
  ▼『辛夷清肺湯』は、特に膿(うみ)が溜まりやすく、のぼせの症状がある方に処方されます。
  ・口の渇きがひどく、冷たいものをがぶのみするような場合には『白虎湯』を併用します。
  ・むかむかするような咳が多い場合には、麦門冬湯を併用すると良いでしょう。

■『補中益気湯』
 ・鼻の症状はそうでもないが、花粉症の時期になると倦怠感とだるさが激しい方、
 ・胃腸の働きが悪くなり、食欲不振や軟便・下痢などがある方、
  ▼食欲不振・軟便・下痢・腹部の不快感などや、胃腸症状が強いばあいには『六君子湯』を併用すると良いでしょう。
  ・水分を多く取りがちで、胃腸虚弱と併せてめまい・頭が重い・頭痛を伴う場合には、『半夏白朮天麻湯』を併用します。
  ・この3種の処方はどの症状にも用いられますので、花粉症で処方する場合は、他の適切な処方または生薬を加えた方がより効果が良く出るます。

■『人参湯』
 ・寒がり・冷え性、且つ寒冷刺激で症状が悪化しやすい方、
 ・鼻の症状はそうでもないが、体力が弱くなり疲れやすい方、
 ・胃腸の働きが悪くなり、特に食欲不振や軟便・下痢などの症状がある方、
  ▼『人参湯』は、必ずといって冷えるとすぐに下痢をしやすいといった症状があります。
  ・花粉症の前に、下痢が出てしまうといった方です。
  ・全身の寒気と下痢気味の症状が強いときは、『桂枝人参湯』を併用すると良いでしょう。


=花粉による皮膚炎にオススメする漢方=
■『竜胆瀉肝湯』・『黄連解毒湯』・『太乙膏』
 ・花粉症の各種症状とともに、皮膚に赤みと熱感があり、温かい温度と湿気の強い環境の部屋などにいるとかゆみが強くなる方、
 ・かくとジクジクベタベタ液が出て、あとで黄色いかさぶたになる方、
  ▼『竜胆瀉肝湯』や『黄連解毒湯』と『太乙膏』を併用します。
  ・下半身に多く皮膚症状がある場合は『竜胆瀉肝湯』を服用して、液がでるが皮膚表面の乾燥が強い場合には『消風散』を併用します。
  ・皮膚の赤くなって熱が強く、口が渇く場合には『黄連解毒湯』に『桔梗石膏』を併用します。

■『荊芥連翹湯』・『紫雲膏』
 ・首から上に皮膚症状が強く出る方、
 ・皮膚症状は、出たり・出なかったり不安定で、波がある方、
 ・温まると顔の赤み・ほてり・かゆみが強まる方、
  ▼『荊芥連翹湯』と『紫雲膏』を併用すると良い場合があります。
  ・肌がカサカサに乾燥しているがジクジク液が出る場合には、消風散を用います。
  ・皮膚症状にニキビも混じっている場合には、『清上防風湯』がおすすめです。

■『当帰飲子』・『太乙膏』
 ・皮膚の乾燥が強く、赤みをおびる方、
 ・かいてもジクジクせず、皮膚に亀裂が生じている方、
 ・顔の火照りもある方、
 ・空気の乾燥や暑さで、症状が悪化してしまう方、
 ・貧血気味で、鉄成分剤の投薬を受けている方、
  ▼『当帰飲子』と『太乙膏』を併用すると良い場合があります。
  ・年配者で普段から肌が乾燥してかゆいという場合は、『知柏地黄丸』を用います。
  ・皮膚の乾燥症状がひどい場合には、『当帰飲子』に『四物湯』を併用します。

 ※症状により対応の処方が多くありますので、細かく体質と合わせる必要がありますから専門家によくご相談ください。

 ※執筆=メディカルスポーツトレーナー・山田貴文(転載不可)

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