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漢方で健康・かっこん【葛根】

血管や細胞の老化を防いで生活習慣病を遠ざけるために、
漢方の基礎知識をご提供致します。

風邪の引き始めの漢方薬として、この数年で有名になった葛根(かっこん)。
第3回の今日は、この葛根を取り上げます。

■葛根とは?
「神農本草経」に収載されている漢方薬です。
夏の終わりに、甘い香りを漂わせて濃紅の花を咲かせ、この花は二日酔いの妙薬と言われています。生命力が強く秋から冬にかけて巨大な根を掘り取り、水洗い後板状に裂くように割り、水中でさらして板葛根をつくります。さらにこれを1cm角に切った物が角製葛根。
寒中、水にさらさないと、製品が褐変して商品価値はおちますが、葛根の持つ薬効はかわりません。旺盛な繁殖力を持ち、中国産は澱粉質が多く、日本、韓国産は線維質です。

■起源
日本産マメ科のクズの根。薄く縦切りにしたものわ板葛根、約5mm角の賽の目に切ったものを角葛根と呼ばれています。韓国産も日本産と同一起源です。
中国産シナノクズまたは葛藤の根。台湾産のものはタイワンクズの根。ともに外皮が削りとられており粉性に富み粉葛根、甘葛根とも呼ばれています。

■産地
日本(長野県・岐阜県)
中国(湖南省・河南省・広東省・広西省・浙江省・四川省など)
韓国
台湾

■成分
フラボノイドのダイゼイン、プエラリンなどを含有。
薬理作用: 解熱作用(粉末)、血糖上昇(水エキス)
応用:
発汗、解熱、鎮痙薬、熱性病、感冒、項背強急(首筋や背肩の筋肉のこり) などに応用。
発散作用・感冒や急性炎症に解表薬として用います。
とくに項背部が緊張し、頭痛や鼻炎症状のあるものには、麻黄・桂枝と配合した「葛根湯」。
蓄膿症や慢性鼻炎には、辛夷などと配合した「葛根湯 加辛夷川」。
中耳炎には、桔梗・石膏などと配合した「葛根湯 加桔梗石膏」。
透疹作用、発疹や皮膚疾患にも用います。麻疹などの初期で発疹の出方が悪いときに升麻と配合した「升麻葛根湯」。
蕁麻疹や皮膚化膿症にも、葛根湯が奏功します。筋弛緩作用 おもに肩こりや背部痛に用います。
肩背部の筋肉の凝りや五十肩などの疼痛・麻痺には、独活・地黄などと配合した「独活葛根湯」。
止瀉作用は、急性の下痢や急性腸炎に用いることもあります。

■処方例
葛根湯、葛根湯加辛夷川
用法・用量
煎剤
散剤
1日3〜6グラム程度を目安にします。。

■その他
クズはマメ科のつる性の多年草で、山野に自生しています。秋の七草の一つで葉は複葉で大きく、つるの長さは10メートル以上にもなります。
全国各地にみられ、産地としては徳島県・長野県・群馬県・鹿児島県・奈良県・石川県などが有名です。とくに奈良県の吉野地方に産するものは『吉野葛』として広く知られていますね。石川県では、羽咋郡押水地方の『宝立葛』が江戸の藩政時代から産出したのを、最近村おこしで発売されるようになりました。
漢方の「葛根湯」に使う葛の根 (葛根)は採取したものを水洗いし周皮を取り除いて板状に裂くようにして割り、水中でさらして板状葛根をつくります。これをさらに1cm角に切ったものが「角製葛根」です。これを真冬の寒い中でするのです。
日干しにし風通しのよいところで乾燥する工程と、とても厳しい仕事です。温かい時期や寒い時期意外にこの作業をすると腐ってしまうのです。
風邪の引いた時やお腹をこわした時に飲む葛湯の葛粉は葛の根を水洗し、外皮を剥ぎ臼などでつき砕いて、これを水につけて、デンプンをもみだし、不純物を丁寧にのぞいて、さらに水にさらして放置し上澄みをすてます。
この作業を何度も繰り返し、底に残った白い泥状のデンプンをとりだし乾燥させて作るのです。
葛の根には有効成分のダイゼインが含まれ発汗、解熱、鎮痙剤としてつかわれます。葛根湯の原料として利用され、風邪、じんましん、気管支炎、神経痛リュウマチ、下痢A食あたりなど漢方ではもっとも幅広く応用されています。

■薬効と漢方処方
古典での葛根の薬効は解表退熱、生津止渇、止瀉とし、発熱して無汗、口渇、頭項強痛、麻疹不透、泄瀉下痢などに用います。傷寒論の葛根湯は、桂枝湯に葛根と麻黄が加わったものと考えられます。
葛根の配合される漢方薬方は少なく、葛根湯のほかには蓄膿、鼻炎には葛根湯加辛夷川。
桂枝湯証で下痢の伴うものには、葛根黄連黄湯。升麻葛根湯・葛根紅花湯などがあげられます。
共通する目標の項背強痛をそのまま肩こりの薬と解釈するところがありますが、項背とはうなじを言い、肩こりにはあまり効かないのです。むしろ背骨にそった、肩胛骨周辺の筋肉、上腕、脇などに痙れん性の筋肉痛があらわれるような場合にはすぐれた効果をあらわします。

 ※執筆=メディカルスポーツトレーナー・山田貴文(転載不可)

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