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じてんしゃ図書館
陰徳のかたち。『百年の愚行』
TVで紹介された、『じてんしゃ図書館』の青年、徳島県出身の土居一洋さん(28歳)
彼は、全国を自転車で歩く「自転車図書館」の館長さんなのです。
着物姿に地下足袋、自転車の後部には水車の本棚。
出版社や大手企業のスポンサーは全く無く、貸し出す本の費用の捻出は、彼が旅先で一時逗留しアルバイトなどをした
「無償の貸本」の奉仕活動で全国を旅している。
貸し出した本には、彼自ら手書きで大木の絵を書いて渡すのである。
「読み終わったら、この木に木の葉を書いて次の人に渡して呼んでもらってください。」彼はそうして人々に本を渡す。
一人に渡した本は、土居一洋さんの書いた大木に思い思いの木の葉を書いて次の人に渡す。。
土居一洋さんが貸し出すのは、環境問題を扱った書籍ばかり。
こうしたことをするには、土居一洋さんの目的がもう一つあるのだ。
それは、『百年の愚行』と云う本を全国の図書館に置いてもらうというものだ。
これまでの2年9ヶ月、北海道から関東・甲信までの1,600ヶ所の図書館を回った。
では、『百年の愚行』とはどんな書籍なのだろうか。(以下の紹介は「Think the Earthプロジェクト」WEBサイトより引用)
「Think the Earthプロジェクト」は、アースデイにあたる2002年4月22日、写真集『百年の愚行』を発行。
本書は、同プロジェクトから発売される二つ目の商品であり、
21世紀のはじまりに地球の未来を考えるきっかけとなる強いメッセージを込めた写真集。
本書の売上げの一部は、同プロジェクトを通じ持続的な未来のための活動に使われる。
『百年の愚行』の企画を立ち上げた当初、この写真集を“世界各国の古新聞の上に直接印刷をして”つくろうと考えた。
写真家とメディアに対して敬意を表したいという思いと、
大量生産とリサイクル時代の象徴でもある古新聞を“リユース”し、新たな価値を生み出したいという思いがあり、
さまざまな角度から可能性を探ったが実現には至らず、結果として辿り着いたのが、
古新聞のコラージュでつくったA2(42cm×59.4cm)サイズの台紙に写真を貼り込んだ「オリジナル版」を100枚つくり、
それを出版物に反映させていく方法。
この「オリジナル版」は、100枚すべてが世界で唯一、一点ものの作品。
私たちの思いを最もストレートに表したものでもあり、展覧会・巡回展などで皆様に見ていただきたい。
「オリジナル版」に使われている古新聞は、海外新聞普及協会、ナショナル・プレスクラブ、日本アセアンセンター、イスラミック協会
などの団体をはじめ、国内外に住むスタッフの友人・知人の協力によって集められたもの。
世界各国、100媒体を優に超えるバリエーションに富んだ古新聞の束を張り合わせて、台紙をつくた。
難民問題、都市犯罪、株式情報、新商品発売、文化賞の発表……。
さまざまな言語で印刷された新聞には、いろんな時間を、いろんな思いで生きている人々の「今」があり、
古新聞の重なりは、事実と時間の集積でもあるのだと感じることができる。
100枚の台紙のなかには、厚さ1cmになるものもある。
100枚の写真は、主に世界最大のデジタルフォトストックエージェンシー「コービス」と、
世界的なフォトジャーナリスト集団「マグナム・フォト」のアーカイブから選んだ。
選んだ写真は、サンニチ印刷の協力により、最新の出力機でプリントしたが、この出力機が優れもの!
オフセット印刷と同じ顔料を使用し、レーザーで焼き付けるというもので、印刷と同レベルのクオリティが確保できる。
サンニチ印刷の工場にある印刷本機に直結し、リモートプルーフ(色校正の遠隔地操作)でやりとりができたのもポイント。
この再現性の高いプリントを、アートディレクター佐藤直樹さんをはじめとするアジールデザインのデザイナーが、
古新聞の台紙に1枚1枚手作業で張り込んでつくっていた。
特別寄稿
池澤夏樹(小説家)
アッバス・キアロスタミ(映画監督)
フリーマン・ダイソン(宇宙物理学者)
鄭義 チョン・イー(小説家)
クロード・レヴィ=ストロース(文化人類学者)
主な受賞
2002年 東京ADC賞
2003年 ニューヨークADC賞銀賞
2003年 I.D. Annual Design Review グラフィック部門BEST OF CATEGORY
Think the EarthプロジェクトHP
http://www.thinktheearth.net/jp/
「Think the Earthプロジェクト」の基本テーマは、「エコロジーとエコノミーの共存」。
地球環境問題はいうに及ばず、人権や保健・医療問題にも関わっている。
この『百年の愚行』と土居一洋さんの出会いは、彼のWEBサイトで伺い知ることが出来る。
(じてんしゃ図書館(http://asobook.nomaki.jp/)より引用)
平成16年3月、仕事帰りに寄った本屋さんで『百年の愚行』という本に出合いました。
環境破壊や戦争など、人類が20世紀に行なった数々の「愚行」を100枚の写真とエッセイでつづった本です。
「21世紀もまた同じ世紀にするのか? 本当に大切なことにまだ気付けないのか?」
そんなメッセージを全身で受けとめ、その日は夕食すら食べられませんでした。
数日後、店にあったその本を3冊買い、
2冊を友達に「とにかく読んで」と渡し、1冊は自分の手元に置いて毎日ページをめくりました。
僕のまわりの人は、その本を知りませんでした。
近くの図書館に行ってみると、『百年の愚行』は置いていませんでした。
司書の方に会って話をすると、彼はこちらの気持ちを受け止めてくださり、図書館で取り寄せてくれました。
1ヵ月後、調べてもらうと、3人の方が借りていました。
これはチャンスだと思いました。この本を1人でも多くの人に読んでもらうことで、
地球上で起こっていることを自分自身の問題と捉える人が増えるんじゃないか。
そうすれば少しでもいい方に変わるんじゃないか――。
そして平成17年1月、自転車で愛知県の自宅を飛び出しました。
全国3,000箇所の図書館をまわり、その本を置いてもらうよう、お願いする旅を始めたのです。
ところが、旅は思い通りにはいきませんでした。話さえ聞いてもらえない図書館も少なくありませんでした。
さんざん悩んだ末に、ひとつの答えを見つけました。
「自分が図書館になればいいんだ。そうすれば置きたい本を並べることができる」
こうして、自転車に連結させたトレーラーに手製の本棚を取り付け、「じてんしゃ図書館」が始まったのです。
現在、全国の図書館に『百年の愚行』を置いてもらうための旅を続けながら、
同時に、道中で本の貸し出しを行っています。
「じてんしゃ図書館」には子供にもわかりやすく書かれた環境問題関連の本を置いています。
1人1冊まで自由に借りることができ、返却は不要。読み終わったら、誰かにまわしてもらう、というシステムです。
見かけたときは、どうぞお気軽に声をかけてください。そして、借りていただいた本から何かを感じていただければ幸いです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
「じてんしゃ図書館」館長 土居一洋
とある。
地方行政はとかく、住民感情や世情に疎いのが実情で、時代の流れすら見ようとしない。
かの、年金問題においては、とある地方自治体の首長が厚生労働大臣の発言に、
いちいち抗議文を送るお粗末な行為もあった。
抗議文を送るくらいの清廉さと潔癖さを持ち、自らの地方自治体に自信を持って運営しているのであれば、
国家や地方の財政難を鑑みて、地方交付税や国家からの特別予算の交付を謹んで辞退すべきであろう。
土居一洋さんのように、日常の生活や食事よりも、地球の環境問題や世界の変化に対して真摯且つ勇気を持った、
無償の行動はこれまでの行政の怠慢と驕りを戒める意味でも良いであろう。
ただ、土居一洋さんの行動と役人の言動とを比較しようにも次元が違いすぎる。
世の中の万人が失った「品格」が土居一洋さんにあるのかもしれない。
四国八十八ヶ所霊場札所巡りには、お遍路さんに対して、地元の人達の「お接待」と云うものが現在も残っている。
素泊まりさせてくれたり、お茶やお茶菓子を提供してくれたりするのである。
勿論、これらの行為は、無償なのである。
現在、良く、「ボランティア」という言葉を良く耳にするが、本来のボランティアには「志願兵」という意味も含まれている。
土居一洋さんが始めたことは、『百年の愚行』を全国の図書館に置いてもらうことといった小さなことではあるが、
私が行政に携った頃やマスコミの記者時代に特に傾注して記事に用いて書いた「国家百年の大計」の根幹を行動に示した。
現在でこそ、ネットや掲示板で自己主張や意見を匿名・実名問わず行えるようにはなり、
言葉や文字で様々なことを表現できるが、
土居一洋さんのような若い青年時代を過去の反省と未来の真実なる幸福のために一生懸命になれる人はそう多くはないであろう。
ましてや、国家や地方行政は崩壊している今日、国民の一人一人が明日のことを考えることに精一杯なのも現実なのである。
願わくは、土居一洋さんが訪れた図書館では温かく寛大な対応を切に望み、多くの人々は蔭ながら見守ってほしく思う。
※執筆=山田貴文(転載不可)
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